| 第5回 嗚呼〜 哀愁のL型物語1話 |
当時、ターボと言う存在が世間に知れ渡りターボチューンが全盛期にさしかかろうかとしていた。インターネットはもちろん携帯やポケベルもない時代、先輩と母親が唯一の情報源であった時代、母親(現おふくろ)から「ターボは凄い。バリバリだぜ!!」と言う情報を仕入れた私は一大プロジェクトを立ち上げた。3人の大酒飲みがここに集結した。
あれは終戦直後?戦前?いや昭和58年の夏だった。精神が錯乱しているようだ・・これは、ニッサン31型フェアレディを改造しまくった男たちの物語である。
昭和58年7月3日 3人が資料を持ち寄り私の車庫で会議が開かれた。資料は当時、頭角を表し始めた「カーボーイ」と言う雑誌が中心だ。後に「車庫中8策パート2」(坂本竜馬の船中8策はパート1として有名)と呼ばれるものだ。
予算は殆どないので強化コンロッドや鍛造ピストンといったような高価な貴金属類は無理だ。又、その当時、コンピューターと言えばレビック 追加インジェクター用のコンピューターだ。(ハッキリ言って可変ボリュームを回して追加で打ったインジェクターから燃料を噴射さす。アナログ式)Aが言った。「ヘッドは俺にまかせてくれ。あてがある。」みんなどよめいた。いや罵倒した。Aは大ボラ吹きで町内で有名な男だ。
数日後、Aが本当にヘッドを抱えて車庫に来た。解体屋から拾って来たのだ。Aのヘドロで真っ黒くなった顔が壮絶な死闘を物語っている。L20改ヘッドだ。その当時、ハート型燃焼室は少年達の垂涎の的だった。通常、燃焼室を一度、アルゴン溶接で埋めてハート型に削るのだがL20は一見、ハート型に似ているのだ。L28用のバルブを装着できるようにシートリングも打ちかえられていた。Aの努力に皆、頭が下がる思いだった。
ある日、Aに刺激されたBはカムを忍者のように背中に差し込んでバイクでやって来た。刻印に68の文字が!!「女房を質屋に入れてでも買え」と言う68度のハイカムだ。皆、思った。「彼女を質屋に入れたのか・・」皆、無言でハイカムを見つめた。
手分けしてレビック・ウエーバー40パイキャブレーター・機械式VVCと中古ながら、次々と入手した。ピストンはピストンが見つからないのとボーリング代がかかるのでL28エンジン用を洗浄して組み付る事になった。
問題はメインのターボキットだ・・・・ない、男たちは挫折をあじわった。 次号に続く。
|
|
|
|
|