第20回 アルトスルーバン 奴は絶対Vだ。
 
お客様かお友達かわからないひさちゃんからオークションでこの車両を落として欲しいと連絡があった。ちなみに「私には友達はいない!!いるのは手下か敵だけだ。」と言うハードボイルドな男だ。一応、オークションを見てみるとスルー・・スルーバン・・!!しかもアルトだ・・又、衝動買いか・・普段は430グロリアに乗っているがこの前も旧ミニを衝動買いして60万円程整備にお金を掛けたが登録して3カ月で10万円で売ってしまった前歴がある30代半ばのサリーマンだ。それ以前も30台近く車を乗り換えている。まじか・・・私の説得を無視した上にこう恫喝して来た。「おじいの軽トラをスルーバン似に改造するかそれともスルーバンを整備して欲しい。」私に選択の余地は残されていなかった・・絶対に軽トラをスルーバンにしたくはない。末代に遺恨を残す事になる。スルーバンを落札して引取りについて言ってあげる事になった。
引取りの日曜日ひさちゃんと朝9時に待ち合わせしたが来る気配がない。待ち合わせはいつもおしゃれにマックの前。服装も一応、おしゃれをしてみた。連絡してみると「昨日、会社の飲み会で飲みすぎて足が立たない・・」と言うか便所から一歩も出る事が不可能なようだ。仕方ない女房と行くか・・・女房は妙にはりきっている・・・

片道2時間半の道のりでやっと現地に到着。車両を見てみるとベース車なので自走には難がある。まずウオーターポンプから水が漏れている。ブレーキが効かない。救いなのは引っ張り式サイドブレーキと5速ミッションだと言う事だ。ブレーキはサイドが効けば止まれるしギヤを入れれば車両は止まると言う機械工学の初歩の初歩だ・・・クソーひさちゃんめー・・・一応、牽引して時々、そのまま自走して水が減ったら小川から水を汲んでラジエターへ注入・・・なんとか戻ってきた。その時の達成感は生涯忘れる事はないだろう。ちっぽけな私でも偉業を成しえる・・・思わずロッキーポーズ!!・・・次の日には何かが違うような気もしたが・・・

いよいよ整備が始まる!!まずエンジンから。ウオーターポンプ交換のためタイベルを外しウオーターポンプを取外す。サビている・・水の通路がサビている・・えーいエンジンOHだ!!最近はうつ病なのか醜いものを見ると無性にレストアしたくなる。女性もそれで失敗しがちだ。ふと気が付くとひさちゃんがあちこち分解している・・・「俺の獲物だ。仕事をとるな!!」
ちなみにエンジンは初代アルトワークスF5Aツインカムターボだ。さっさとエンジンを降ろして分解。以前漏れ止め剤を注入しているらしく水の通路がふさがっている所がある。
   
 水のメクラ&パイプ類もかなりサビている。パイプは出来るだけニップル方式に交換予定だ。
   
 
 
ピストンリングのオイルリングが反対のような気がする・・・どのみちピストンリングは交換するのでどちっちでも良いだろう。

こうしてひさちゃんと私のいや人類の180日戦争が始まった。   つづく。